四十九日とその間


11月4日(月)


初秋、快晴の、夫が天に登った日から、
早くも49日が経つ。
四十九日法要が済み、立派なお墓に入る。
石御殿。

めいいっぱい遺骨の詰まった骨壺は、
とても重たくて、
その重さを覚えていようと、
お墓に入る前、ずっと抱きかかえていた。

お墓に納まるときには、
また寂しさがぐっとこみ上げ、
涙が溢れる。


死んだ人は、たった49日の間に、
姿カタチがどんどん変わり、
仏の弟子となる。
彼は、きっと、前向きな転身を遂げているはず。



私は、この時の流れに、速さに、身も心もついて行けず、
マイペース極まりなく、腑抜けた心持ちで過ごしている。

私から欠けて落ちた部分は、想像よりも遥かに大きくて、
未完成の自分がフラフラと漂っている。

気がつくと、
彼の声を思い出し、感触を思い出す、
ことばかりしている。



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トッチャ、メイがね、


楽しそうに、スピード上げて、たくさん歩けるようになったよ。
潮騒のメモリー」を大きな声で上手に歌ってくれるよ。
キティちゃんのパンツがはきたくて、紙パンツを卒業したよ。
相変わらず、エビのしょっぱい煎餅ばかりほしがるよ。
チーズパンじゃなくて、レーズンパンが好きになったよ。


お友達のはなしを、細かくたくさんしてくれるよ。
「いがいと〜、タイチは〜.........」なんてギャルっぽく話すよ。
運動会で、おお張り切りに体操して、くだもの競争もがんばったよ。


お星様やお月様を見つけると「トッチャだーー!」って叫ぶんだよ。
「トッチャ行ってきまーす」「トッチャただいまー」が日課だよ。


祭壇の前に座って、おやつを分けてくれてるよ。
拾ってきた落ち葉や石を、大事そうにあげてるよ。
小さいお膝を折り曲げて、小さい手に数珠をしっかり巻いて、
目をつぶって、手を合わせているよ。



メイを愛する大人達、みんなに可愛がってもらっているよ。

愛嬌のある可愛い笑顔は、ますます女の子らしく輝いているよ。

ママとね、相変わらず仲良く、いつもヒッツイてるよ。



きっと全部、知ってることだよね。


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