〈rollo.11〉追悼ライブ後記


3月2日(日)


2月27日はトッチャの誕生日。
生きていれば46歳。
今年もこれまでと同じように、
ケーキを囲み、メイが「ハッピーバースデー♪トッチャ〜!」
と高らかに歌ってくれる。

メイは「トッチャ、おめでと〜う!!」と
お仏壇に向かってニコニコと言い放つ。


メイは、形が変わってしまったトッチャの存在を、
何の疑いもなく、素直に、自分のパパとして大事に抱えている。

私も、メイと一緒にいることで、
その気持ちを強く持つことができる。

私たちにとってトッチャは、いつでもどこでも、
変幻自在に一緒にいられる、お髭の生えたワイルドな妖精だ。

このままずっと、空想好きな親子でありたい。


***


夫の通夜・葬儀の時から、
ヤッサン、フッタ君、ショージ君が発起人となり
「誕生日あたりに、修ちゃんの追悼ライブやろう!」ということになっていた。

それは、実行委員(ヤッサン、フッタ君、ショージ君、DJミステイク、マスダユキ、タロウ、まり子)を中心に綿密に計画され、
度重なるいくつかの難事にもめげずに、
3月2日(日)『rollo vol.11 追悼・市川修一しばり20分1本勝負』が無事に開催された。

中心に運営してきてくれたリーダーのヤッサンが、前日に胆石がうずき始め、緊急入院となってしまったことは残念だけど、ヤッサンのためにもこのイベントを成功させようと、みな奮起した。


『〈rollo vol.11〉追悼・市川修一しばり 20分1本勝負』
司会:藤井君+(時々アインちゃん)/映像:SAM1
FOOD:マサラワーラー,SPICE ADDICTS
出演:スッパバンド,ヤッホーシリアス,道産子アナルX ,conti,Electric Eel Shock,レンタカー,俺はこんなもんじゃないBOSSSTON CRUIZING MANIA,テクマ!,brig,THEマニラ帰り,ジョー長岡&スッパマイクロパンチョップ,ハイタワーZ,プラズマ11,スペースカンフーマン



強烈な個性を放つ、色とりどりのバンド群とバンド人。
一秒も飽きさせることなく、めくるめく展開される、
パワフルで魅力的な演奏。
そのカラフルさが、修ちゃんの人柄と音楽人生を象徴しているような、夢のような6時間。


そして、何より、出演人やお客さんの中に強く持ち続けていることは、
とにかくみんな“修ちゃんが好き”という気持ち。
その修ちゃんへの“愛”が作り上げる会場の一体感は、
体験したことのないような高揚を極めつつ、
温かく、すがすがしく、愉快で、優しさに溢れるものだった。


会場どこを見回しても、そこらじゅうに笑顔があり、
それぞれに音楽と食事を楽しみ、
イベントを味わい尽くしているようで。


マサラワーラーとSPICE ADDICTSのインド料理


バチケン・デザイン&イラスト・マンゴーのポスター


DJミステイク・デザインのステッカー

イベントに携わるものすべてが、アーティスト魂の結集。
関わってくれた多くの人々に、感謝しきるばかりだ。



私は、ひとつひとつの演奏に、修ちゃんを想い、
地響きする低音にも、複雑なリズムや緻密な演奏にも、
浪々と響き渡る歌声にも、神がかりなアクションにも、
すべてに涙を浮かべながら、全身で感動した。


そして、誰より、このイベントを楽しんでいるのは、
修ちゃんのはずで、
「イェーーーイ」と大きく歓喜する叫び声も、
会場の歓声に混ざっていたはず。


終演の頃には、泥酔し、顔を赤らめ、
満足気にゴロンと横になっている彼の姿が
目に見えるようだった。


修ちゃん、素晴らしい時間と繋がりをありがとう。