支え

 出張の最終日、朝晩は少し涼しい風が吹くとはいえ、名古屋はとても暑い。
 怒涛の2日間を忙しく過ごしてたけど、いいかげん芽生と修ちゃんが恋しくてたまらない。あのムニュムニュした芽生の体をギュッと抱きしめたいし、あのゴツゴツした修ちゃんの手をギュッと握りたい。

 一昨日、出張の合い間を縫って名古屋に住む友達イソネエに会う。修ちゃんのことも私のこともよくよく知り、本当に大事に思ってくれている大切な友達。短い時間で近況を報告。時に涙が出たり、大笑いしたりと楽しく癒される。
 熊野本宮大社のお守りや熊野牛王符をいただく。カラスの群れが文字を形作っている熊野牛王符は、病気平癒を祈願するもの。カラスは古来、吉兆を示す鳥であり、勝利に導く縁起のいいものらしい。カラス文字がカッコよく、修ちゃんがさも喜びそうなデザイン。

 修ちゃんのほうには千恵ちゃんとヒロミが行ってくれていて、千恵ちゃんが修ちゃんらしいエピソードを交えて細かく報告してくれる。元気そうな様子で安心。
 昨日は芽生と母も会いに行き、トッチャと芽生は楽しくじゃれ合ってた様子。芽生のはしゃぐ姿が目に浮かぶ。
 今日はヒロミの報告によると、修ちゃんはバンドのことを考えたりしてるとのこと。いよいよ本格的に戻り始めている兆候。それでこそ修ちゃんだ。また突飛押しのないプランを披露してほしい。

 毎日、入れ替わり立ち替わりみんなが様子を見に行ってくれていて、本当にありがたい。お陰で、安心して仕事に集中できる。
 出張に出かける朝から、修ちゃんが私にメール送ってきてくれている。「今日もがんばってね」というありきたりなメッセージだけど、それが本当に本当に嬉しい。優しいな。


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 大きな学会で、世界各地から関係者が集まる。めったに会えない著者にもたくさん会え、中には、私のことや修ちゃんのことも大事に思ってくれている先生もいる。空いた時間に親身になって話を聞いてくれ、一緒に泣いてくれたり。
 仕事の付き合いを超え、深くつながっている関係。素晴らしい人達に出会えていること、支えてもらっていること、尊く思う。

 昨夜はマチと佐代さんと、夫象、理想の男性象について話す。それぞれ思い思いに、いわゆるガールズトーク。私は修ちゃんが家に居ない生活がどんなに寂しいことか、そしてどうして寂しいのかを力説し、ふたりはふむふむとその話に付き合ってくれる。ふたりにも相当支えられているし、いつも甘えてしまう。


 終日めいいっぱい働き、疲れはて、家につくと11時過ぎ。
 母と芽生はスースーと交互にいびきをかいて熟睡中。
 芽生のわきに入り込み、寝顔をしばらく眺めていると、母が起き、いなかった間のことや昨日のお見舞いの話をしてくれる。

「芽生ったら、修ちゃんと千恵ちゃんとヒロミちゃんの前で、なんだか気取ったような顔しちゃって、得意になって遊んでたわよ。」と。
 いままでは、思うがままの自由な野生児のようだったけど、まわりを意識したりしておしゃまさんになってきてるのかな。
それもまた楽しみだ。