キャラ立ち


 乳幼児の検診で、芽生は1歳半検診を受けなくてはならない。ちょうど芽生が1歳半になったのが6月の終わりで、修ちゃんの病気が発覚したころだ。気になってはいたものの、なかなか連れてくことができず、1歳8ヵ月になろうとしている今になって慌てて連れていく。
 ということは、あれから2ヵ月たったのか。。。なんだか10年くらい、いばらの道を生きたような気がする。

 大事な著者との打ち合せがあったので、どうしても外す事ができず、母に検診に連れて行ってもらう。
 かかりつけの小児科の先生は芽生のこともよく知っていて、とても頼りにしている女医さんだ。順調にスクスク育っていることに太鼓判を押してくれたよう。
「芽生ちゃんはすばらしいわね〜」と帰り際に言われたようだ。
そのとおり、芽生はすばらしい子。

 打ち合せ中、突然修ちゃんから電話が鳴る。少しだけ中断させてもらい電話に出ると、英会話の無料サンプルを申し込んでいいかどうか、、、とか言っている。なんとも平和な病人だ。
 そして、「缶コーヒーを見てたら、いつも二つに見えるのが一つに見える瞬間があった!」と嬉しそうに言い出した。
「わーーー、すごいじゃん」と私も大声で喜ぶ。それが嬉しくて電話をくれたんだ。
回復の兆し、何より嬉しい様子。私も嬉しい。
 英会話でもなんでもやって、この際一層パワーアップしてもらいたい。

 夕方、病院へ。昨日はヒロミにお見舞いを頼んでいたので、一日ぶり。
 今日も元気そうに笑顔で迎えてくれる。
 午後に私の兄が来てくれたとのこと。ふたりは終始子どもの話しをしていたよう。親バカどおし、緩んだ顔でたわいもない話しをしているのが目に浮かぶ。


 修ちゃんは最近、自らのリハビリのためか、ノートに飲んでいる薬のことや日常のことなどメモをしている。
 ちょっとのぞきこむと、「ミックスソフトクリームを買って食べた」と書いてあった。まるで小学生の夏休み日記。
 
 帰り際、仲良しの看護士さんと立ち話をする。けっこう長い時間立っていたけど、足腰もしっかりとし、いつもの豪快な笑い方で楽しく話している。ガハハハと。

 病院での生活にすっかり慣れ、修ちゃんなりの楽しみややれる事をみつけ、看護士さんや先生たちともいい人間関係を築いている。どこでも柔軟にとけ込み、キャラを際立たせていること、さすが修ちゃんだ。

 そして、週末に外泊訓練という名目で、外泊ができるかもしれないことになった。やった!