神様的な


 このところ、芽生は朝おきるとすぐに『よあけ』という絵本を持ってきて、私の前にちょこんと座る。以前JOEさんが芽生にプレゼントしてくれた素敵な絵本。
 静まり返った湖のほとりで、ゆくっりと夜が明け、おじいさんと孫が船をこぎ出す。言葉少なく、さざなみの音、空、大地、水を描写した美しい絵本。
 芽生にはとても渋いチョイスだけど、嬉しそうに聞いている。わたしも少し情緒的に読む。
 途中、「おじいさんが孫を起こす」というセリフを私が言うと、
 『まごーーー!』と大声で叫ぶ。。。つまり、コレが言いたいだけ。
 朝からバアバとわたしと大笑い。

 最近、言葉が急に増えていて、気に入った言葉はなんでも真似をする。「まご」も響きがお気に入りのようだ。


 昨晩の疲れもあり、日中ずっとぼんやりしながらも、原稿をチェックする。気がつくと眉間にしわが寄ってしまう。


 夕方、夫のところへ。
 少し退屈そうに横になっているが、私の顔を見ると「まぁ、座りなさいよ」と満面の笑みで迎えてくれる。
 「目がひどいんだ」と憂鬱そうにし、少しストレスが溜まってきているのが分かる。まぁ、その他が良くなってきているぶん、追いついてない箇所が気になって仕方がないということ。元気になってきている証拠だが。

 お守りコレクションに「出雲大社」が加わり、修ちゃんが興奮している。神様が集まった。
 仕事仲間のKさんの息子さんが買ってきてくれたもの。会ったこともない子が、夫のためにしてくれるなんて、本当にありがたい。たくさんの人の思いに感謝するばかり。

 ふたりでいろいろと話し込んでいると、現存する神様、S島先生が回診に来てくれる。最近は状態が安定している様子なので、先生もリラックスしているのがわかる。
 なんだかんだと三人でいろいろ話すこと、約30分。
 忙しいはずの先生が、お見舞い客みたいに私と夫のくだらない話しに付き合ってくれ、先生も時々ギャグを言って私達を笑わせてくれる。それがけっこうブラック。かなり面白い。ますます好きになる。
 なんてラフな神様だ。笑い療法も施してくれる。
 また、この病院には修ちゃんの神的存在のミュージシャンがかつて入院していたとの情報。
 個性的な素敵な神様の集まる場所なのだ。


 そして、家にかえると小ちゃいわんぱく神様が待っている。
そう思えば、周りにはたくさん神様的な存在があるのだ。