無限の可能性

9月21日(金)
 先日9月19日で、夫は放射線治療とテモダール治療の1クールが終了した。手術後2週間後から開始で、放射線は全部で60グレイという人間の許容量のほぼマックスを浴びたとのこと。そんなことを聞くと、恐ろしくなる。効果を発揮してもらわなくちゃ困るが、これが結構効いたようで何よりだ。
 テモダール治療も同時に行い、フコイダンという健康食品も同時に服用している。放射線治療とテモダールは同時にやると効果を発揮するらしいが、いろいろな相乗効果で実を結んでいるのだと思う。

 夫は、最終日に放射線を受けてるところを写真に撮り、私に自慢気に見せてくれた。顔にマスクメロンみたいな網をかぶり、頭を固定されているところ。面白いショット。
 記念撮影するなんて、気持ちに余裕があるのか、それとも持つようにしているのか。いや、単に珍しがって楽しんでいるところもあるのかもしれない。そういう人だ。

 退院に向けて、リハビリの先生にも話しを聞く。夫はリハビリの先生達も大好きで、よく私に話しをしてくれる。お会いするとそのとおり、素敵な先生方。先生方も夫を好意的に見てくれているのが分かる。どこでも人気を得ているようだ。

 リハビリサイドから見た夫の状況を分かりやすく説明してくれ、今後、日常生活をおくる際の注意点や対処法、社会復帰に向けてのアドバイスなどいろいろと聞く。

 私はこのところ特に、夫が病気以前の状態に戻ってきているような印象を受けているが、やはり、少し危なっかしい点もいろいろあるようだ。

 複視の影響はもちろん、記憶の面でも完全ではないとのこと。とはいえ、記憶なんて本当に曖昧だ。科学的にはどうか分からないけど、覚えようとするかしないかの問題も大きく関わると思う。興味のないこと、どうでもいい事は、右から左へ流れていくのは通常ではないか。
 たとえば、手術をして物理的に欠損、あるいはバランスを崩していることがあったとしても、まわりの正常な脳がフォローしてくれるという話しもよく聞くし。
 とにかく、脳の可能性は無限のはずだ。
 
 そして、あれほどの大手術をし、この短期間での快復はリハビリの先生達も目を見張るほどのよう。術後の回復期に、放射線治療と抗ガン剤治療を行う。普通なら、ベッドから起き上がれない人もたくさんいるなか、夫は毎日のリハビリをこなしてきた。
 「今日もね、自転車を20分くらいやって、そのあと、外散歩を40分くらいやれるんですよ。すごいんですよ」と。
 さすがの「原人力」だ。


 原人の娘、芽生は相変わらず、よく食べ、よく遊び、よく寝る。そしてよく喋りよく歌う。芽生の脳ミソも毎日フル回転だ。そして無限の可能性を秘めている。

 今までは、「クワックワックワッ」の部分しか歌えなかった「カエルの合唱」も、フルコーラス歌えるようになった。
 今度の外泊のときには、真っ先にトッチャに披露してあげるんだろうな。