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10月10日(水)

今日は、退院後、初めての外来。
 昨晩、夜中になぜか芽生は大泣きし、朝は吐き戻しをした。精神的なことか体調の変化か心配になるが、吐き戻しをしたあとも元気にパンを食べ牛乳を飲んでいるので、まぁ大丈夫かと保育園に連れていく。

 送りから戻り、すぐに支度をして病院へ。

 予約をしていても採血100人待ちや診察までの長い待ち時間で、10時の診察予約が12時近くとなる。病院ってところはとにかく待ちぼうけの場所だ。夫はその間、リハビリ室に顔をだしたりして上手く時間を潰す。

 やっと会えたS島先生は、相変わらずクールでお茶目で楽しい人。退院後の体調の変化、複視の煩わしさに一喜一憂していた夫と私の心境を、一気にふっ飛ばしてくれる。そのひとつひとつの言葉がとても軽快で頼もしい。
 顔を見て、話をするだけで、私達は笑みがこぼれ、穏やかな気持になる。毎日でもお目にかかりたい気分。
 今日は採血のみの検査、特に異常もなく、「いいですね〜」とS島先生も余裕を見せている。次回のMRI検査の予約をして診察を終える。

 午前中いっぱいかかった外来をあとに、鍼灸院エコパオさんへ移動。

 ここがまた私達にとって、絶大な信頼のおける憩いと癒しの場所。扉を開けて中に入るなり、よもぎのいい香りで懐かしい気持ちになる。安堵感があふれ涙が出そうになる。
 ともこさんにゆっくり話を聞いてもらいながら、私は夫の退院後の生活で張り詰めていた気持ちが緩み、体が洗い流されるように涙が溢れてくる。こういう安心しきった場所が必要だと強く感じる。
 
 夫は、先生に時間をかけて鍼灸、整体を施してもらい、気がつくと大きないびきをかいて寝ている。午前中の疲れはあるとはいえよほどのリラックス具合だ。
 私達夫婦は、人と場所の安心感にすぐに身を委ねてしまう体質なのかもしれない。。。

 ともこさんに、フェルデンクライスメソッドに基づいた、夫の眼と脳と身体のためのリハビリを提案していただき、新しい展開に夫も大喜び。エコパオさんのお二人にはいろいろと親身になってもらって、本当に本当にありがたく思う。
 夫は何しろ眼の快復に気持ちが焦り、そのことで毎日の精神状態が変わっている。なのでこの新しいリハビリは何より前向きになれることだ。

ともこさんが
 「今までの修ちゃんに戻るのではなくて、これからは “NEW 修ちゃん” になることを考えるといいのよ!」と言ってくれ、夫も私もパッと目が覚める。
 どうしても、以前の自分と比べ、その状態に戻ることばかりに心焦っていたのだけど、実はそうではないのだ。これからは “NEW 修ちゃん” を展開していくのだ。

 そう言われ、夫も気持ち新たに、
「旧修ちゃんもよかったけど、NEW修ちゃんもいいよね」と言いながら、夕焼けの道を車で帰宅する。

 今日は、そのままふたりで芽生をお迎えに行く。芽生はとっても嬉しそう。

 帰ると、ポストに大塚夫妻からメッセージカードが入っていた。「退院おめでとう」とへんなドラエモンの親子が描いてあり、爆笑。
 いろんなかたちで元気をもらう。おかげさまで。