声は届いたか

11月26日(月)

 連休は芽生の体調が優れないながらも、お隣の大学の学園祭に行ったり、従兄弟が遊びにきたりで、楽しく過ごす。
 芽生は多少風邪でも熱っぽくても、めったなことではパワーが衰えない。大人の風邪っぽいのとは大違い。風邪でも遊ぶことにかけては執着心と好奇心で乗り切るのだ。

 昨日は夫の祖母の七回忌法要。久しぶりに夫の実家に行く。
長いお出かけになるので、芽生の好きなおにぎりを作ったが、やはり風邪がスッキリしないので、芽生は泣く泣くバアバとお留守番。

 夫の実家付近は、雲ひとつない秋晴れの青空に、すっかり紅葉した山々の赤や黄色が絶妙に映えていた。行楽日和。
 会食の後、お寺でお経をあげてもらいお墓をお参りする。夫は真剣な顔つきで、念入りにお墓に水をかけおばあちゃんにご挨拶している。私も「どうぞ私達をお守りください」と何度も何度も念じる。

 ひととおりお参りが済み、皆で帰る方向に歩き出してから、ふと夫は立ち止まり、
「ばぁちゃんに、また来ますって言い忘れた」と言い、慌ててひとりお墓に戻っていった。
 そして、存分に思いを告げたよう。約束どおりまた必ずお参りに来れるはず。

***

 今日は、1ヵ月ぶりの脳外科外来。午後からの診察に合わせて午前中に採血とMRI検査をする。合間にリハビリにも顔を出す。
 検査の結果が出るまでは、「もし、、、たら、、、れば、、、」なんてふたりとも心がざわついて仕方がない。月に一回、この審判を受ける事、これこそ寿命が縮まる思いなのだ。
 気持ちの支えに、今回も私の母が付き添ってくれる。まったく私達はいつまでたっても甘えっぱなしの子どもだ。情けない。。。

 検査が終わりランチを済ませ、院内をふらふらしていたら、偶然S島先生に会う。「おぉ〜!ちょっと待っててくださいね」と声が明るい。先生のその表情に、緊迫していたのが一気にほぐれる。ちょっとのことで一転、眉間のしわも伸びるのだ。

 午後一番に呼ばれ診察室に入ると、先生のにこやかな表情から検査の結果が心配な状態ではないように直感する。
そして、「少し小さくなってますよ。採血も安定してるし、問題ないね」と。
「やったぁ〜」と三人で、ガッツポーズ。本当に良かった。

 そして、明日からの投薬治療のため、前回同様多量のテモダールが処方されるも、私達は安堵感いっぱいに診察室を出た。
 夫は「ありがとうございましたー!」と大きな声で、待合室に響いている。
 見守ってくれている天国のおばあちゃんやご先祖様にも届いたかな。
 
 そして、明日から5日間のテモダール治療(3クール目)、来月の診察まで、また精進。希望を持って。