月一回の気がかり

 
 芽生は朝から、クリスマスとお誕生日にもらったプレゼントのあれこれに、何から遊ぼうか目を白黒させている。
 とは言え、朝は保育園へ送るまで時間との勝負でもあるので、遊ばせないよう何とかたしなめ、ご飯を食べさせ、着替えさせ、身支度を進める。
 朝は眠いこともあり、少しダダをこね気味だが、最近は「〜てから」も理解しているので、「帰ってきてからね」とか「ご飯食べてからね」と言うと、ちゃんと納得してくれる。
「いい子いい子」と頭を撫でると、ニコニコといい気分になっている。


 今日は月に一度の外来診療。慌ただしく芽生を保育園に送り、すぐに出発。

 夫は最近、辻井伸行さんのピアノがお気に入りで、車の中で聴きたがるが、繊細でみずみずしいピアノの音が、エンジン音でかき消されてしまうので、十分に楽しめない。ならばと、カエラに入れ替えて快走する。
 カエラのCD制作には、私達の音楽仲間や知り合いがけっこう携わていて、クレジットされている名前の数々に驚く。いい仕事してるなぁと、羨ましく。


 病院に到着し、採血、MRIと検査をこなし診察を待つ。何度来ても、この時間がたらなく落ち着かない。
 待ち時間にはたいてい、病院隣接のタニタ食堂でランチをするのだけど、その徹底した薄味とバランスのとれた食事に、正直、ぜんぜん癒されない。。。お湯みたいなすまし汁に少し腹ただしくもある。
 こんなときは、もっと濃いもの、カツ丼とか天丼とかカレーとか魅惑的な食事が適当なのだろう。

 診察の順番になり、診察室に入ると、S島先生がわりとにこやかに迎えてくれる。たいてい、まずS島先生の表情から察する。そして、先生の診断を聞く。
「うん、いいねっ。 良好ですよ」と。ヤッホー!
 画像を見ながら病状の診断、順調さを聞き、いつものように世間話もして、なんだか楽しい診察。
 最後に夫は「もう一回写真見せてください」と、その少し薄くなりつつある腫瘍を真剣に見ている。「よっしゃ、よっしゃ」と。
 テモダールもお正月明けに飲むことを了承してもらう。これで安心して年末年始を過ごせる。本当に良かった。

 
 帰りは、Stevie Wonderの『Talking Book』をくり返し。捨て曲ないなぁ〜と1曲1曲丁寧に評価しながら。
終始、音楽話しに花が咲く帰り道で何より。