マイペース

 先日からテモダール治療、第5クール目。
 夫はこの5日間の投薬治療をしている間、眼がジャンジャンするとか目が回るとか症状を言う。
 S島先生によると、テモダールは鎮痛剤のような即効性のあるような類いではなく、ジワジワと長期に渡って効いているものとのこと。もちろん吐き気などの抗ガン剤の副作用は起こりうるけど。
 夫の場合、まるで視床付近にある腫瘍に即効性があるような症状を訴えるのは、直接腫瘍にテモダールがよく効いているからか、または、暗示にかかっているからか。

 もともと、すごく健康で、めったに風邪もひかないタイプなのだけど、極たまに風邪をひいたときには、薬がものすごくよく効く。ユンケルとか葛根湯とか飲んでるそばから、
「なんだか良くなってきたようだ」とにわかに信じ難いことを言う人だ。
 彼の場合、ユンケルもテモダールも同じように効果を発揮しているのか、、、だといいな。

 治療も慣れてきたし、私もいちいちそばでべったり心配しているのも、よけいに大袈裟にしているように思い、
「しばらくだから、がんばって耐えてよね!」と明るく突き放す。本人もそのほうが楽なようだ。
 
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 夫は治療中だけど、せっかくの連休だし、芽生と私はマイペースに楽しむことに。
 近所に住むユキちゃんを誘って、芽生と武蔵野体育館へ。芽生はボールプールに埋もれたり、トランポリンで飛び跳ねたり、ぞんぶんに遊ぶ。ユキちゃんには芽生の相手もしてもらいつつ、ボソボソと特にテンションも上げることもなく心地よくお喋りを楽しむ。ゆっくり過ごす午後。

 次の日は、マンゴーが芽生の相手をしに来てくれる。器用なマンゴーにミッキーマウスを描いてもらったり、粘土でお魚やミッキーマウスを作ってもらったりして、大興奮。「メイメイ、ミッキーマウス踊るのー!」とかいいながら歌って踊っている。

 翌日はユカリちゃん(妹)を誘って、再び体育館へ。滑り台を登ったりすべったりの繰り返しにひたすら付き合う。3時にミッキーマウスのからくり時計が鳴り出して、また興奮。高らかに「ミッキマウス、ミッキマウス・・・♪」と歌って踊る。またミッキーマウスだ。

 ユキちゃんもマンゴーもユカリちゃんも、同じ年頃で、皆、スラっとしたとても可愛らしい雰囲気の女性たち。芽生は、それぞれにたちまち懐いて遊んでもらうが、うっかりユカリちゃんと見分けがつかなくなることがあり、ついつい構わず「ゆかりちゃ〜ん!」と言ってしまう。

 マンゴーも幼いころはみのもんた関口宏の見分けがつかなかったと、不思議なことを言っていたので、ならば、芽生も仕方ないなと納得。

 芽生は愛嬌のある笑顔と性格で、みんなにとっても可愛がってもらって、みんなも芽生との時間を楽しんでくれるようで嬉しい。芽生の成長を近くで一緒に楽しんでくれている友人や姉妹がいてくれて、本当にありがたい。
 芽生のこの面白い成長物語を、これからもたくさんの人と共有したいなと。