修ちゃんみたいな人
5月22日(水)
月曜日、転移した腫瘍にガンマナイフ治療を行った。
ガンマナイフは滞りなく順調に終えたが、検査でまた新たな転移が見つかった。
この増殖の速さについて考えると、それはとてもとても恐ろしい。
今後の展開は、どんなに希望を持とうとも、修ちゃんの力を信じようとも、つい悪いことを想像してしまう。
でも、信じて祈るしかない。
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同時にテモダールの服用も始まった。さらに100mg増しの量。それによる副作用は今のところそれほどなさそうで、とりあえずは安心。
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私は、今後のこと、漠然とした不安を抱え、落ち着かない。
誰かに話しを聞いてもらいたく、昨年からずっと夫を担当してくれている、リハビリの稲川先生と森田先生を訪ねる。今後起こりうる困難に、私達は、どうやって対応していけばいいのか、アドバイスをもらいに。
やはり、先々のことは不明確で、具体的な解答が得られたわけではないけど、あれこれ不安をぶつけ、それを真摯に受け止めてもらい、気持ちが安らぐ。
得られたことは、なるべく多くの信頼できる人に頼りながら、何とかやって行くしかないと。
そして「一日一日、大事に過ごそうよ!」と。
つきなみだけど、もっともなことだ。
お二人とも素晴らしく頼もしい先生。関わる人々には本当に恵まれている。
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病棟に戻ると、ロビーでムーさんが待っていてくれた。続けてタロウさんも駆けつけ、4人で楽しく談笑。
同世代の3人の中年オジサンは、やたらと趣味や感覚が合う。ただただ楽しく音楽談義をする。
重病人のお見舞いとは思えないくらい、気の合う仲間との楽しい団欒で、たくさん笑う。それはただ、場所が病院のロビーということだけ。
友人と語らう夫の生き生きとした表情を見ていると、このイガグリ頭の中にある小さな腫瘍達のざわめきは、本当は、まやかしであるかのように思えてくる。
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あらためて、思う。
夫はやはりすごいヤツだ。ただ者ではない。
こんな状況でも楽しいこと素直に楽しみ、愚痴や泣き言をいっさい言わない。
病気であることをしっかりと受け入れ、無理にがんばりもせず、自然に私たちと過ごしている。
この病気になって、唯一救われることといえば、
「修ちゃんが、修ちゃんみたいな人でよかった」ということだ。