ひとまず

 
5月24日(金)

金曜日、夫は退院した。

病状の不安も多く、モヤモヤしたものを抱えながらだけど、まぁ、退院できたってことで、喜ばしいことと思わなくては。

ガンマナイフの名医A先生は、今後、病気の進行で考えられる症状や障害、かなり恐ろしい事も含めひととおり説明するが、そうかと思えば、やたらと明るく、

「まぁ、今回退院できたってことで、まずは良かったじゃないですか! 今後はその都度考えていきましょう〜!」
なんて宴会部長みたいな口ぶりで私達を激励する。

行き当たりばったりな感じで、少し不愉快でもあるが、先生が言う事も一理ある。
先のこと、はっきりしたことは誰にも分からない。

とりあえず、次の外来まで、以前と同じように自宅療養の生活に戻る。

とはいえ、腫瘍の動き、その身体的な影響が恐いので、私はなるべく勤務を在宅にさせてもらい、夫と過ごすことに。
様子を見ながら。



家の中がバタバタしていること、私の精神状態が不安定なことが影響しているのか、芽生の様子も不安定だ。
子どもは思っているよりずっと敏感。

毎日、規則正しく、ルーティーンに過ごせることが、子どものペースを崩さずに安定していられるのは分かっているものの、そこが難しい。

トッチャが入院で家にいない、ママも不在がち、バアバが一番そばに居てくれるけど。保育園の送り迎えもママとバアバが交代交代だったりで、芽生も落ち着かなく不安を抱えているのだろう。

久しぶりに家族が揃うと、芽生はものすごく嬉しそうにハシャギまわる。
汗びっしょりに動きまわる。

口を横いっぱいに広げた笑顔は、何より私たちを癒してくれる。そばにいる人全員を元気にしてくれる。

そんな芽生とずっとずっと遊んでいたい。