山荘まで


6月22日(土)

私たち家族にとって、三人で遠くに出かけることは、容易ではなく、ある程度気合いとか覚悟がいる。

ちょっとした買い物や外出でも、気を遣うことが多々あり、
夫とメイを車の中で待たせておいていいだろうかとか、こっちじゃなくてあっちに停めたほうが勝手が良さそうかとか、このお店の階段は長くないかとか、エレベーターはあるだろうかとか、混雑具合はどうかとか、、、
私は、いつも細部まで神経を尖らせる。

そして、その積み重ねは、おそらく大きなストレスとなっているだろう。


仕事でお世話になっているS先生夫妻の赤城のお宅に遊びに行くというイベント。
とても楽しみだが、高速を使って片道3時間くらいの小旅行に三人で行くこと、どうも尻込みしてしまう。

やんちゃ盛りの2歳の娘と、病気を抱え歩行が危うい夫の面倒を私一人でみながら、かつ長距離運転をするという過重な負担。単純に自信もない。

でも、やはり、大好きなご夫妻に夫とメイを会わせたく、そしてその素敵な山荘に連れていきたいという気持ちが、その重圧より勝り、意を決して決行した。

その甲斐は大いにあった。楽しみの熱意はやはり報われる。

夫はご夫妻に会えたことや、一緒にお宅で過ごせたことに喜び、うれしさ満面に清々しい顔。メイも大きなお屋敷に好奇心いっぱい、みんなに遊んでもらい終始ご機嫌。


そのお屋敷は前橋の街々が眺められる絶景の見晴らしで、Yイチ先生がテラスで炭焼きしてくれる群馬のもち豚を、Y子先生のおもてなしでいただく。
すばらしく絵になるご夫妻。お二人の温かい人柄にあらためて感動する。

お腹がいっぱいになったところで、Y子先生のお昼寝スポット、天井も壁も窓で囲まれ木漏れ日が差し込む素敵なお部屋で、フクニシさん、みゆきさん、メイと夫でゴロゴロ横になる。
時々現れる大きな蟻にビックリしながら、あれこれと談笑する。

メイははしゃぎ回り、ついに突然電池切れ。スヤスヤと眠ってしまった。


***


ほんのひととき、都会の喧騒から離れた別世界で、山荘に暮らす大学の先生と、東京を離れ群馬でマイペースに暮らす友人と、のんびり過ごす心やすらぐ時間。
私も夫も気分一新、心身共にリフレッシュできた。

そして、私は三人でのドライブ旅行に自信をつける。
今度はもっと遠くまで。