流し素麺


8月11日(日)

先日の外来以来(よりも前からだけど)夫は、常に頭痛と吐き気があり、頓服が手放せない。

この猛暑だし、夏バテ傾向にもあるかもしれない。顔色や表情もいまいち冴えないけど、元気を出そうと健気に振舞い、メイとふざけ合っている。


先日の検査結果を、前の主治医S島先生にすぐに相談する。
先生もうむうむ、もやもやといった感じだけど、新薬と放射線がいいか、、、という見解。

そして、私は、グリオーマの先端研究をしているIK病院にセカンドオピニオンの予約を取り付ける。
千恵ちゃんやヒロミも新たな治療を試みている病院をあたっている。

病院や医療を患者が積極的に選べる時代とはいえ、私達はまるで手探り、ネットの情報を頼りに出たとこ勝負で不安も大きい。
だけど、またラッキーや一期一会が巡ってくることを期待して必死になる。


***


日曜日、行きつけの鍼灸院エコパオさんの夏恒例「流し素麺パーティ」にお招きいただき、家族三人で出かける。
 
神楽坂の住宅街に旧家を構え、鍼灸院を営む素敵な施術師ご夫婦に、いつもの満面の笑顔で出迎えられる。心からホッとし、泣きそうになる。

いつもの診療所が流し素麺会場に。玄関先には大きな氷で冷やされたビール、酒類、机には野菜中心の大皿料理といなり寿司。
先生とトモコさんのご友人がわいわいと集まっている。

そして、窓から内庭に向かって、青竹をまっぷたつに割った流し素麺ロードが設置されている。

その風景に、メイは目をシロクロさせながらも、大好きな猫のチャーリーとタマちゃんを探している。メイにとっては、素麺よりもここの猫たちに会うことが楽しみ。

乾杯のあと、すだちや胡麻ミョウガやショウガなど薬味をたっぷり入れ、青竹の水路から流れてくる素麺をすくって、いただく。何とも風流。

メイは楽しそうにツルツルと食べたあと、素麺を流す役目に。お客さんに流し素麺をふるまう。


そうめん流し係のメイ

小さな手に一握りして、青竹の端から「ホイッ」と流す。食べる側もメイの流す素麺に一層盛り上がる。
思いのほかメイの一握りは盛りが多く、どっさり大きい団子状に流れていくのが滑稽。

マチやよしみねくんやアヤも登場し、みんなでワイワイと楽しむ。
夫も流し素麺やこの場の雰囲気を堪能し、楽しそうにしている。

途中、サックスプレーヤー泉邦宏さんと先生とトモコさんの演奏があり、大いに盛り上がる。泉さんの火の玉のようなサックス演奏に圧巻。夫は猛烈に感動している。

その後、夫と泉さんは足湯をしながらジャズ話に花が咲く。


変な顔、泉さん(右)と修ちゃん

夫は泉さんとの話に興奮し湯あたりしたのか、単にバランスを崩したのか、足湯から出る際に、後ろに大きく転倒してしまった。

スったモンだあったけど、夫は
「いや〜、スゲー楽しかったです!!」
と大きな声で、先生とともこさんにしみじみ御礼を言い、
来年もやろうね!と言い合いながら旧家をあとにした。